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広島、長崎に原爆が投下されて60年近くが経とうとしています。原爆は、人類史上例のない残酷な被害をもたらしただけでなく、今なお数多くの被爆者を苦しめつづけています。
被爆者は「こころ」と「からだ」に受けた深い傷を引きずりながらも、自分たちの体験した苦難を繰り返させてはならないと、「再び被爆者をつくるな」「核兵器をなくせ」と叫び続けてきました。その声は、世界中に響き渡り、数多くの人々の共感を呼び、核兵器廃絶の幅広い行動へと人々を導きました。多くの危機に直面しつつも、広島・長崎以来今日まで実戦で核兵器使用を思いとどまらせてきたのは、こうした運動の成果であり、それは人類の未来を保証する上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
戦争の世紀といわれた20世紀が終わり、平和と核兵器廃絶を願う人々は真に平和な21世紀を希求してきました。
しかし、アメリカで起きた「9.11同時多発テロ」とそれに続くアフガニスタンへの「報復戦争」は、人々の願いを無残にも踏みにじりました。その上、アメリカ、イギリスなどによるイラクへの軍事攻撃は、国際紛争を力によって解決するという古い神話をよみがえらせてしまったのです。こうした中、アメリカ・ブッシュ政権は、テロリストや「悪の枢軸」との闘いの中で核兵器の使用をも視野に入れた戦略を推し進めようとしています。
一方、アメリカと北朝鮮との交渉に見られる通り、核兵器による威嚇が今なお繰り返されています。一部の国々は核兵器を独占し、人類の生存を脅かしつづけています。それらの国々は、核兵器の開発・製造・実験の過程で多くの核被害者を生み出してしまいました。
国際司法裁判所は、1996年「核兵器の使用と威嚇は一般的に国際法違反」だという判断を下しました。しかし、アメリカの広島、長崎への原爆使用は今日まで明確には裁かれていません。また、原爆被害に至る戦争を引き起こし、被爆者を放置しつづけてきた日本政府の責任も明らかにされていません。
核兵器が存在する限り、人類は未来への希望に胸をふくらませることが出来ません。核兵器廃絶なしに、憂いのない世界を若者や子どもたちに保障することはできないでしょう。
私たちは、広島・長崎の被爆者たちの切実な願いを受けて、被爆60周年の2005年に「ノーモア ヒロシマ・ナガサキ国際市民会議」を開催することにしました。
会議では、広島、長崎の被爆の実相を内外に広く伝えながら、核兵器の犯罪性を訴え、核兵器廃絶への具体的道筋を明らかにします。また、二度と被爆者を生まないために、アメリカの原爆投下責任を追及するとともに、被爆者や核兵器被害者への真の補償を実現させるための知恵を総結集する機会にしたいと考えています。
そのために、被爆者や核兵器被害者、研究者や運動家など様々な人たちの英知を集め、国内外の多くの人たちの核兵器廃絶の声を地球上に響かせていきたいと思います。
対人地雷をなくす運動やイラク攻撃に反対する運動など、地球規模の市民運動が歴史を動かす重要な役割を演じようとしています。非核・平和の価値を共有する地球市民の心を結び、核兵器も戦争もない世界を実現するために、あなたの知恵と行動力と勇気に期待しています。ぜひとも支持と賛同を願いいたします。
2003年9月20日
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